ドローンの登録講習機関 登録に必要な要件

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登録講習機関の登録は、国家資格である無人航空機操縦者技能証明書を取得する方に対して、ドローンの飛行に必要な知識と能力を付与するための講習を行う事業者を、国が登録する制度です。
登録するには、施設・設備、講師等について要件を満たす必要があります。

当事務所では、登録講習機関の登録の代行を承っております。まずはお電話または問い合わせメールでのご相談をお待ちしております。

上記のうち、このページは「登録に必要な要件」のページです。

このページでは、ドローンの登録講習機関が講習を実施するために必要な要件を説明します。当事務所が代行する際に気を付けている点も補足します。

「登録に必要な要件」「登録申請、事務規程の作成」「講習開始後の手続き」の各ページの構成は次のとおりです。

目次

「登録に必要な要件」(本ページの記載はこの箇所です)

1.何を満たせば登録講習機関として登録ができるのか

  • 講師要件
  • 施設・設備要件
  • 法人要件



「登録申請、事務規程の作成・届出」

2.登録申請する資料は何を用意するのか

  • 登録講習機関の登録(前半の手続き)
  • 登録講習機関講習事務規程の届出(後半の手続き)

3.講習事務規程提出後の手続き(講習開始前)

  • 管理者の研修実施および研修の記録・保管
  • 講師の研修実施および研修の記録・保管
  • 修了審査員の研修受講



「講習開始後の手続き」

4.講習開始後の手続き

  • 受講者の本人確認
  • ドローン飛行許可・承認申請(屋外の実地講習・修了審査用)
  • 講師および受講者の特定飛行に係る義務の履行
  • 講習の修了証明書の発行
  • 帳簿の記載・保存
  • 財務諸表等の作成および閲覧
  • 各種届出

5.外部監査の受検

  • 受検と報告の義務
  • 監査受検の方法と主な検査チェックリスト
  • 国土交通大臣への報告の内容

参入要件(登録講習機関になるための登録要件)

1.何を満たせば登録講習機関として登録ができるか 【航空法第132条の70】

1-1 講師要件(主なもの)

まずはじめに、登録講習機関の講師になるための要件を紹介いたします。

2022年9月5日の事前登録開始時点には、誰一人として無人航空機の技能証明を保有する者はいなかったので経過措置で要件を満たすしかありませんでした。

それが今では技能証明の合格者が増えてきており、本則にある一等、二等操縦士の要件を満たして登録講習機関の講師や修了審査員になることができるようになっています。

国土交通省HP掲載講習団体の講師経験がなくても講師になることができます。

なお、本則・経過措置いずれも飛行実績(飛行日誌の飛行記録に該当する内容)の提出が必要です。

経過措置(当面の間)

一等無人航空機操縦士講習

  • 国交省HP掲載講習団体等での講師経験 1年以上

 加えて

  • 直近2年間で1年以上の飛行経験 かつ 100時間以上の飛行実績

…………………………………………………………………………

二等無人航空機操縦士講習

  • 国交省HP掲載講習団体等での講師経験 6月以上

 加えて

  • 直近2年間で6月以上の飛行経験 かつ 50時間以上の飛行実績


本則

一等無人航空機操縦士講習

  • 一等無人航空機操縦士の技能証明を有する(無人航空機の飛行の方法について限定がされていないものに限る)※注 後述解説参照

 加えて

  • 技能証明取得後1年以上の飛行経験

 または上記に代えて

  • 同等以上の能力を有する

……………………………………………………………………………

二等無人航空機操縦士講習

  • 二等無人航空機操縦士の技能証明を有する(無人航空機の飛行の方法について限定がされていないものに限る)※注 後述解説参照

 加えて

  • 技能証明取得後6月以上の飛行経験

 または上記に代えて

  • 同等以上の能力を有する

※飛行経験の起算は、技能証明取得後からの分です。


その他(本則・経過措置共通)

イ 18歳以上

ロ 次に該当しないこと

  • 過去2年間に講習事務に関し不正な行為を行った者

 または

  • 航空法や航空法に基づく命令違反で罰金以上の刑の執行終了、または執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者

ハ 講師要件に加え

  • 修了審査員には、指定試験機関による研修の受講を義務付け


解説

今では本則で定める技能証明保有者による講師も、飛行経験があれば可能です。国土交通省HP掲載講習団体の講師経験がなくても講師になることができます。

また、自社内プロパー社員ではなく、業務委託契約を締結した講師でも構いませんが、講師個人との契約である必要があります。法人間契約は認められていません。

なお、本則・経過措置いずれも飛行実績(飛行行日誌の飛行記録)の提出が必要です

※注 令和6年3月の登録講習機関の登録等に関する取扱要領の改正で、本則の「無人航空機操縦士の技能証明を有する」に関し、「無人航空機の飛行の方法について限定がされていないものに限る」については「当該講師等が行う講習に対応した無人航空機の種類及び飛行の方法について限定がされていないもの」とするとの解釈が示されました。

例えば次のとおりです。
昼間飛行の限定がある場合でも、基本及び目視外の技能証明を取得して飛行経験が満たされていれば基本及び目視外の講師になる資格を有することになります。


1-2 施設・設備要件(主なもの)

施設の要件でのポイントは、修了審査で使用する空域の広さ・大きさが確保できているかどうかです。なお、機体の最大離陸重量が25kg未満かそれ以上かによって広さ・大きさの要件に違いが生じます。

これはあくまで修了審査での空域であって、実地講習において使用する施設の空域は大きさを問いません

また、屋内か屋外かの違いについては、一等の修了審査の場合は屋外に限られ、それ以外(二等の修了審査や一等・二等の実地講習)は、屋内でも可能です。

実習空域(修了審査において用いるもの)

  1. 占用できること(借り受け可)
  2. 次に定める大きさ以上
    ① 最大離陸重量25kg未満 縦13m×横21m×高度 5m
    ② 最大離陸重量25kg以上 縦32m×横35m×高度12m
  3. 一等修了審査は屋外(二等修了審査は屋内可)


実習空域(実地講習において用いるもの)

  1. 占用できること(借り受け可)
  2. 大きさや屋内・屋外の別については問わない

修了審査において用いる実習用無人航空機

  1. 機体の大きさ 対角上のプロペラ同士の中心点を結んだ線の長さが200mm以上
  2. 風速5m/sで飛行可能なこと
  3. 最低10分以上の飛行が可能なこと
  4. 位置安定機能(水平方向)を解除可能なこと
  5. オーバーライドができること
  6. プロペラガードを装着できること
  7. 灯火を有すること(昼間飛行の限定を除く)
  8. 搭載カメラで確認ができること(目視内飛行の限定を除く)


実地講習において用いる実習用無人航空機

  1. 講習を適切かつ安全に行うことができること
  2. 前述の「修了審査において用いるもの」に記載した要件は問わない


講習を行うため必要な設備

送信機、トレーニングケーブル、予備バッテリー又は燃料補給機材、パイロン・旗・テープ、時間計測器、風速計、予備部品、照明機器、発電機、ヘリパッド、保護具、実地講習書籍
※全てが必須とは限らない。


建物

学科講習に係る講義室のある建物


補足

  1. 対面で行う学科講習の受講者数はおおむね50人以下であること
  2. オンラインで行う学科講習を行う場合は、同時に受ける受講者数はおおむね100人以下であること
  3. オンライン講習の場合は、講習の効果を測定するための修了確認試験を行うこと
  4. 実地講習の受講者数は、1人の講師に対しておおむね5人以下であること
  5. シミュレーターでの講習は、履修科目ごとの最低時間数の4割を上限として講習時間に含めることができる


解説

空域の広さ・大きさは一等、二等の別にかかわらず、最大離陸重量25kg未満の機体か25kg以上の機体かの違いで区分されます。

25kg未満の場合、縦は13mに加えて2mの受講者操縦位置分のスペースを確保することが求められます。

一等の修了審査は「屋外」で行う必要があります。

オーバーライドを行わない修了審査の方法もあります。例えば屋内野球練習場で、壁や天井の内側に、ネットを張り巡らせてある場合。屋外でもフットサル場で四方、天井をネットで覆っていて空域が確保できる場合。それらはオーバーライドに代わる安全体制を確保できる可能性があります。
弊事務所では登録代行の実績があります。



1-3 法人要件

次に該当しないこと

イ 航空法や航空法に基づく命令違反で罰金以上の刑の執行終了、または執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者

または

ロ 航空法の規定により登録を取り消された日から2年を経過しない者

または

ハ 法人であって、その役員のうち、イまたはロに該当する者があるもの

※ ロは過去に登録実績のある法人の場合

解説

登録申請者は法人のみです。なお、申請の際はgBizIDプライムが必要です。

    

登録講習機関に関する各種情報を、以下のブログのページで説明しています。