国が所有する林野でドローンを飛行させる場合は、林野庁の管轄である森林管理署、森林管理支署、または森林管理事務所に入林届を提出する必要があることが、ドローンユーザーの間で徐々に浸透してきました。
しかし、飛行範囲が国有林野に含まれているかどうか、また該当する場合にどの森林管理署等へ届出を出せばよいのかを把握するには、少し時間を要しているようです。
日頃から林野上空で頻繁に飛行させている操縦者であれば問題ありませんが、そうでない方にとっては無理もないことです。
そこでこのページでは、国有林野のエリアと管轄する森林管理署等を迅速に調べる方法に絞ってご紹介します。
国有林野を調べるには、地理院地図は使わない
ドローンの飛行エリアを調べる際によく使われる地図として、国土交通省の「地理院地図」と「ドローンフライトナビ」があります。人口集中地区(DID)や空港等周辺などを把握するにはとても便利です。しかしながら国有林野を調べるにはこれらの地図は不向きです。
たとえば地理院地図では、国有林野の範囲が大まかにしか表示されず、使いにくさを感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは、林野庁が提供している空中写真を「地理院タイル」と呼ばれる大きな四角形の単位で表示しているためです。そのため、緑色の四角が並んだような表示になってしまいます。
また、ドローンフライトナビには国有林野の表示自体がありません。
地理院地図(森林(国有林))(クリックすると、別ウインドウに遷移します。)
国有林野の境界を地図上で正確に把握したい場合は、以下で紹介するツールの方が分かりやすく、操作方法も地理院地図に近いため、スムーズに利用できます。
地理院地図ではない、お勧めするサイト
以下で紹介する地図は、国有林野の境界線を細かく再現しています。
国土交通省国土情報ウェブマッピングシステム
国土交通省国土情報ウェブマッピングシステム(クリックすると、別ウインドウに遷移します。)
このサイト(システム)は、国土交通省が提供する地図閲覧サービスです。
システム内には、林野庁(農林水産省)がGIS(地理情報システム)を使って管理している「国有林野」の地図データが取り込まれています。
上記のリンクをクリックすれば、国有林野が表示された状態で地図が開きます。
また、国土情報ウェブマッピングシステムのトップ画面からの表示方法は、林野庁HPの「国土交通省ウェブマッピングシステムの設定の仕方」に詳しい説明があります。
念のため、以下に表示手順をまとめておきます。
- 「国土交通省国土情報ウェブマッピングシステム」を開く
- 「地図」メニューを選択
- 「国土数値情報」をクリック
- 「土地利用」を選ぶ
- 「国有林野」を選択
このサイトで、管轄の森林管理署などもわかる
このウェブマッピングシステムは、入林届の提出先である管轄森林管理署等もわかるようになっています。地図上で該当する箇所をクリックすると、管轄の森林管理署、森林管理支署、森林管理事務所の名称が表示されます。

このように、国土情報ウェブマッピングシステムは、見た目も地理院地図にそっくりなものです。
クリックして表示された森林管理署(上記でいえば利根沼田森林管理署)の名称をネット検索すれば、連絡先が分かります。
手続きの全体を一遍に把握(国有林野の把握から入林届の提出まで)
ここまでは、ウェブ上の地図を使って国有林野を確認する方法をご紹介してきました。
手続き全体を把握するには、各地方森林管理局が運営する公式サイトを参照するのが便利です。
今回は例として、関東森林管理局の「国有林への入林ガイド」をご紹介します。
以下のページです。
関東森林管理局「国有林への入林ガイド」(クリックすると、別ウインドウに遷移します。)
ここでは、以下の流れで手続き全体を知ることができます。
- 入林の目的から届出が必要かを調べる
- 目的地が国有林か調べる
- 必要な手続きを調べる
- 管轄の森林管理署等に提出する
とても分かりやすく紹介されていると思います。
おわりに
このページでは、国有林野の場所と、管轄する森林管理署等を効率よく調べる方法をご紹介しました。
地理院地図と国土情報ウェブマッピングシステムでは、同じ地点でも表示のされ方に違いがあります。
その比較が分かりやすいように、同一地点を両方の地図で表示した画像を以下に並べております。ご確認ください。



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