- 2023年4月8日
ドローン飛行国家資格 教則で省略した重要なこと - 行政書士さいれんじ事務所
「無人航空機の飛行の安全に関する教則」で語られなかったことを勝手ながら付言します。
国土交通省が教則で省略した重要なことをお伝えします。
無人航空機操縦者技能証明のために、国土交通省が学科試験において求められる最低限の知識要件を教則としてまとめていますが、その中で14の航空法罰則を挙げています。そして14以外は「等」で括って明記しませんでした。
教則では最低限(?)のものを掲載したのかも知れません。そこで、このページでは、「等」の中にある重要なものをご紹介します。
教則に掲載された罰則は以下のとおりです。
出典:国土交通省 無人航空機の飛行の安全に関する教則から罰則部分を抜粋して掲載
掲載されなかったもの その1
該当者は、30万円以下の過料。
登録ドローンの所有者は、所有者、使用者、機体の重量区分、改造の有無、リモートID搭載の有無に変更があったときは、その事由があった日から15日以内に変更に係る事項を届け出なければならないが、届出をせず、または虚偽の届出をした者。
所有者変更の時は、変更後の所有者が届け出る。
掲載されなかったもの その2
同じく該当者は、30万円以下の過料。
登録ドローンの所有者は、以下の事由があった日から15日以内に登録抹消の申請をしなければならないが、申請をしなかった者。
①ドローンの滅失または解体(整備・改造・輸送・保管のための解体を除く)をしたとき。
②ドローンの存否が2か月間不明になったとき。
③ドローンではなくなったとき。
過料ですので「前科」は付きませんが罰です。
それでは、次は前科の付くものです。教則は一等操縦士技能証明を意識して「等」の中に入れたのかもしれません。しかし、二等やカテゴリーⅡB飛行の場合はとても大事なものです。
掲載されなかったもの その3
ドローンを飛行させる者は、特定飛行を行う場合、ドローンの下に人の立入りまたはそのおそれのあることを確認したときは、直ちに飛行を停止して、飛行経路の変更、航空機の航行の安全、地上・水上の人・物件の安全を損なうおそれがない場所への着陸など必要な措置を講じなければならないが、これに違反して必要な措置を講じなかったとき。
(立入管理措置を講ずることのない飛行(一等・一種)の場合を除く。)
こちらの該当者は、50万円以下の罰金です。
如何でしょうか?教則掲載の他にも重たい罰則がありますので、くれぐれもご留意ください。なお、弊事務所が重要と考えたものを紹介しましたので、これら以外に重要との判断もあり得ることを申し添えます。
飛行許可・承認書を取得して飛行させる場合の航空法の罰則規定は、「ドローンの航空法違反罰則」のページでまとめて紹介しています。
【参考】上記に該当する航空法の条文は以下のとおりです。
(登録事項の変更の届出)(登録の抹消)
第百三十二条の八 登録無人航空機の所有者(所有者の変更があつたときは、変更後の所有者)は、第百三十二条の四第一項第五号、第七号又は第八号に掲げる事項に変更があつたときは、その事由があつた日から十五日以内に、その変更に係る事項を国土交通大臣に届け出なければならない。
第百三十二条の十一 登録無人航空機の所有者は、次に掲げる場合には、その事由があつた日から十五日以内に、その登録の抹消の申請をしなければならない。
一 登録無人航空機が滅失し、又は登録無人航空機の解体(整備、改造、輸送又は保管のためにする解体を除く。)をしたとき。
二 登録無人航空機の存否が二箇月間不明になつたとき。
三 登録無人航空機が無人航空機でなくなつたとき。
第百六十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の過料に処する。
四 第百三十二条の八第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
五 第百三十二条の十一第一項の規定による申請をしなかつた者
(第三者が立ち入つた場合の措置)
第百三十二条の八十七 無人航空機を飛行させる者は、第百三十二条の八十五第一項各号に掲げる空域における飛行又は前条第二項各号に掲げる方法のいずれかによらない飛行(以下「特定飛行」という。)を行う場合(立入管理措置を講ずることなく飛行を行う場合を除く。)において、当該特定飛行中の無人航空機の下に人の立入り又はそのおそれのあることを確認したときは、直ちに当該無人航空機の飛行を停止し、飛行経路の変更、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがない場所への着陸その他の必要な措置を講じなければならない。
第百五十七条の九 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。
十九 第百三十二条の八十七の規定に違反して、必要な措置を講じなかつたとき。
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