- 2023年4月8日
ドローン飛行許可申請を自分で行う
ベーシックな飛行許可申請ならご自身でできます
ドローン申請を自分で行うことは可能です。オンラインシステムを使ってできます。したがってe-taxやマイナポイントの獲得ができていれば難易度は高くありません。
ドローンの許可申請を業務としている当事務所が自己申請をお勧めするのも妙な話です。しかしながら本当です。
先日、当事務所代表が体験したドローンとは異なる申請案件をもとに事実とそのとき思ったことを散文調?に綴ってみました。するとドローン飛行許可申請の場合との共通点がありました。それは自分でできる点と、残念ながら応用となると難しい点の両方に言えます。
もしも初めてドローン飛行許可申請を行うのであれば参考にしてください。
不動産登記申請を自分で行う
ドローンとは異なる申請案件というのは、自分の不動産登記申請のことです。
さて、行政書士をしているのだから手続きはできるだろう、だから自分でやろうと思ったのですが、でも不動産登記など知識はほぼゼロ。どうやるのかわからない。とりあえず仕事も忙しいのでいつかやればいい、確か期限はなかったはず。よく確認していないが。ということで1か月間放ってしまいました。
さて、さすがにそろそろ手続きしておかないとまずいと思い、まずネットで期限はないことだけ確認(よかったと安堵)。
次に法務局のウェブサイトで登記申請の方法を調べてみたところ、オンラインと管轄の法務局に持ち込む、郵送するなどの方法があることが分かりました。
なるほどそうかと早速オンラインをいじってみると、悔しいことに入力すべき選択肢がわかりません。自分の場合はどれに該当するのか、変則的な事情があるのでオンライン申請が難しく思えました。土地が2か所の場合はどう記入するのか?登録免許税は加算されてしまうのか?「順位番号」はどれを書くのか?
これは降参です。オンライン申請はベーシックなパターンなら簡単ですが、やや応用問題的なことがあると説明文を読んでもよくわかりません。
オンラインを諦めて紙での申請に切り替え
しかたがないのでWord様式をダウンロードしてキーボードで打ち込み始めました。紙で申請することにしたのです。余談ですが一太郎もダウンロードできるようになっていました。一太郎にはかなりお世話になったのですが、もう長いこと使っていません。
そこからは司法書士の方のYouTube動画で概要を、ウェブサイトで変則的な事項の記入方法を確認しながら進めました。また登記手続きには「お作法」があるとのことで、封筒に3つ折りで資料を入れて、封筒のオモテにこう書くとか、資料には契印を押すとか、細かいことが懇切丁寧に書かれています。
法務局に行って手続き案内を受けてから即日提出しようと思い、不明な箇所は何パターンか記入内容を変えて申請書を複数案準備しました。
法務局に申請書類を提出
さて翌日、管轄の法務局に申請書類を持参して見ていただき、説明を受けました。
何パターンかの申請書を持参したのですが、残念なことにどれも間違いで、そのうちの1つの申請書を使って訂正印を沢山押して作成することになり、加えて準備をした3つ折りで封筒に入れた資料は不要とのことで、しかもネットでは解説のなかった「原本をつけて提出する」ものもあり、これは未経験の人間が完璧に資料を作成し、揃えて提出することは不可能だと思う一方で、法務局で丁寧に教えていただいて一つの難関を乗り越えた安堵の気持ちがありました。
ところで、登記手続き代理は司法書士・弁護士の独占業務です。つまり行政書士は業務としておりません。
もちろん相続(登記以外)を専門にしている行政書士ならわかります。しかしドローン専門の私にはお手上げでした。
ドローン飛行許可申請の場合はどうなのか?
さて、ドローン許可と関係ない話にお付き合いさせてしまって申し訳ございません。
本題にいきます。
登記申請の話とドローン飛行許可申請の話との共通する部分を挙げます。そして飛行許可申請を自分でできるということをお示ししたいと思います。ただし、それはベーシックな申請の場合だと思っています。変則的、応用問題的なものが出てくるとやや困難になります。
私は登記申請を自分だけではなく、法務局でお聞きしたことで漸く申請できたように標準的なパターンに収まらない申請は困難です。
個別の変則事情があるとオンライン申請やウェブサイト情報頼みでは正しくできるかは甚だ疑問が残りますので、この専門的応用問題はドローン飛行許可申請ではどの箇所で出てくるのかも併せて説明して参ります。
不動産登記申請とドローン飛行許可申請
以下のとおり不動産登記申請とドローン飛行許可申請の対比表を作ってみました。
ドローン飛行許可申請欄は、ベーシックで自分でできるものと、やや専門的なので応用問題となるものを併せて紹介します。応用問題は蛍光マーカーの箇所です。
自分でオンライン申請したい
不動産登記申請 | ドローン飛行許可申請 |
手続きは自分でやろうと思い、でも不動産登記の知識はほぼゼロ。 | 手続きは自分でできます。ただしオンライン申請の中でドローンの法令、安全飛行に関する知識があるのかないのかを設問で問われます。HP掲載講習団体を受講していればこの設問は省略です。知識がなければ許可は下りません。 |
そろそろ手続きしておかないとまずいと思い、まずネットで期限はないことだけ確認。 | 自分が飛行させたい予定日までに10開庁日以上の余裕をもって申請します。 |
オンラインと管轄の法務局に持ち込む、郵送するなどの方法があることが分かりました。 | DIPS2.0というオンライン申請が推奨となっています。メールによる申請方法もありますが、包括申請の場合は、オンライン申請が一番迅速で申請しやすいと思います。 |
オンライン申請にトライ
不動産登記申請 | ドローン飛行許可申請 |
オンラインをいじってみると、入力すべき選択肢がわかりません。自分の場合はどれに該当するのか、変則的な事情があるのでオンライン申請が難しく思えました。 | 画面の案内に従って入力すれば進めます。法令知識があることが許可の前提ですので「立入管理措置を講じますか?」「30m以下の係留策による係留飛行を行いますか?」を理解のうえ選択できる必要があります。 |
オンライン申請はベーシックなパターンなら簡単ですが、やや応用問題的なことがあると説明文を読んでもよくわかりません。 | 包括申請であればベーシックです。ただし機体の追加基準でつまづく可能性はあります。プロペラガードや自動操縦の箇所などです。航空局が安全機能・性能を確認済みのプロペラガードや自動操縦のことを言っていますので正しく選択できるようにしておく必要があります。また、改造機の定義の理解や農薬散布機のタンクやノズルの機能証明などは少し難しくなると思います。 |
ネットで情報収集
不動産登記申請 | ドローン飛行許可申請 |
司法書士の方のYouTube動画で概要を、ウェブサイトで変則的な事項の記入方法を確認しながら進めます。また登記手続きには「お作法」があるとのことで、封筒に3つ折りで資料を入れて、封筒のオモテにこう書くとか、資料には契印を押すとか、細かいことが懇切丁寧に書かれています。 | ドローン飛行許可申請も多くのドローン関係者がウェブサイトで申請方法を紹介していますので参考にできますが、ウェブサイトの内容を正確に理解解釈することが必要ですし、場合によっては必ず正しい説明とは限らないことに注意が必要です。 |
訂正印を沢山押すことになり、加えて準備をした3つ折りで封筒に入れた資料は不要とのことで、しかもネットでは解説のなかった「原本をつけて提出する」ものもあり、 | 許可が下りない内容であれば、国交省から補正指示が届きます。指示に従って修正しましょう。補正指示がきた場合は代替案も例示してくれることがありますが、正しく理解していないと知らないうちに申請内容やそれにより許可された飛行方法と、実際の飛行が異なっているものが見受けられます。ここは注意してください。 |
結果として分かったこと
不動産登記申請 | ドローン飛行許可申請 |
これは未経験の人間が完璧に資料を作成して揃えて提出することは不可能だと思う一方で、法務局で丁寧に教えていただいて一つの難関を乗り越えた安堵の気持ちがありました。 | 申請できて許可書を取得しても安心感はドローンの場合ないと思います。実際の個々の飛行で正しく無事故で飛行し終えることでやっと安堵できますので。 |
登記手続き代理は司法書士・弁護士の独占業務ですので、行政書士は業務としておりません。 | ドローンの飛行許可申請代行は行政書士の独占業務です。しかしながら手続きを調べる時間と手間を惜しまなければ自分で申請するに越したことはありません。 |
以上のとおり対比して説明いたしました。
ベーシックな申請、つまり自分でできる申請とは何かと申しますと、HP掲載の機体で改造もせず、プロペラガードもメーカー純正のものを使用し、無人航空機操縦者技能証明の試験レベルである「無人航空機の飛行の安全に関する教則」(必ずしも教則にこだわる必要はありません)などを利用して法令や安全飛行の知識として身に着けている場合は、ご自身でできます。
ベーシックではないものの例としては、改造機の判断やサードパーティのプロペラガード装着の申請です。
因みにサードパーティのプロペラガードを装着しているのに機体の追加基準の箇所で
「プロペラガードを装備して飛行させる。」
を選択するのは間違いです。
純正のプロペラガード。つまり国交省が安全性を確認しているもののみがこの選択肢を選択できます。しかもHP掲載機ではなく改造機に該当します。
このあたりがオンライン申請の落とし穴だと思っています。
また、機体の追加基準で以下の選択肢を選んだとします。
「プロペラガード等を装備していないが、飛行の際は飛行経路全体を見渡せる位置に補助者を配置し、第三者が飛行範囲内に立ち入らないよう注意喚起を行う。」
これを選んだ場合は、補助者を配置して安全策を施したとしてもプロペラガードを装着しての飛行はできません。国交者に申請をした、言い換えれば国交省が確認した内容でのみ飛行が許可されます。
同様に自動操縦システムを利用する、しないの選択でも問題を生じる可能性があります。
これらは専門的な話になってきますので、したがいまして行政書士にとは言わずとも、専門の者に聞いたほうがいいと思います。
または国交省無人航空機ヘルプデスクに聞く手もあります。個人的には、あくまで個人的な見解ですが、ドローン飛行許可を専門にしている行政書士などにお聞きになることをお勧めいたします。
行政書士さいれんじ事務所はドローン飛行許可申請を代行しています。
ドローンの飛行許可申請に関するお悩みやご依頼は、下記の連絡先までお気軽にお問い合わせください。
プロフェッショナルな行政書士がお手続きを代行し、スムーズな許可取得、そしてドローン飛行をサポートいたします。
TEL 048-226-3053
10:00~18:00
土日祝日も営業
お問い合わせ
終日受付けております。
ドローン飛行許可申請を行政書士が代行するのは法的根拠があります。
DIPS2.0でのドローン飛行許可申請のポイントを以下のページで紹介しています。
当事務所の住所や連絡先、事務所代表プロフィールの紹介は以下のページです。