ドローン飛行許可申請 地表または水面から150m以上の高さの空域

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包括申請では150m以上の高さの空域を飛行させることはできません。航空法上、航空機の離陸又は着陸を行う場合を除く、航空機の飛行の妨げになる高度以上はドローンの飛行を禁止する規定があります。

そのため飛行許可を得るには、場所を特定した個別の申請を行う必要があります。例えば建設現場の進捗管理、花火大会、ドローンショーなどで該当する場合があります。

航空法と航空法施行規則では、ドローンの「飛行の禁止空域」の一つとして次のように150m以上の高さの空域について規定があります。

【航空法第132条の85第1項第1号】

 無人航空機の飛行により航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがあるものとして国土交通省令で定める空域

【航空法施行規則第236条の71第1項第5号】

 前四号に掲げる空域以外の空域であつて、地表又は水面から150メートル以上の高さの空域(地上又は水上の物件から30メートル以内の空域を除く。)

それでは、飛行許可申請をする際のポイントを挙げていきます。

申請先は東京空港事務所または関西空港事務所

包括申請では東京航空局または大阪航空局が申請先ですが、150m以上の高さの空域の場合と、空港等周辺の上空の場合は東京空港事務所または関西空港事務所が申請先となります。
ただし、注意すべき点として、包括飛行許可で取得していない飛行として、150m以上の高さの空域だけではなく、夜間の目視外飛行も許可を得る必要がある場合は、東京または大阪航空局への申請も同時に必要です。

飛行高度の記載

申請では「地表等からの高度」および「海抜高度」を入力します。海抜高度は「国土地理院地理院地図」で調べることができます。該当するエリアをプロットしますと、画面の下部に「標高」が出ますのでエリア内で最も高い標高を探します。そして「地表等からの高度」に「標高」を足して「海抜高度」欄に入力します。

空域を管轄する関係機関との調整、調整結果の記載

空港事務所に申請をする前に、予め空域を管轄する関係機関に連絡を入れて、了解を得る必要があります。
そしてその調整結果をDIPS2.0の「調整結果」欄に記載します。
記載する内容は、関係機関から「支障ない」との回答を得たその内容です。なお、条件などがあった場合はその内容も記載します。場所のみならず日時等も伝えて調整することが一般的です。
詳しくは後述の「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)に記載されている基準」で述べます。
また、調整に際して、「別添資料1 飛行経路」で飛行範囲を作図したものを提出します。これは事前照会方法として求められます。

関係機関については後述します。

150m以上の高さの空域飛行のDIPS2.0申請画面
出典:国土交通省「DIPS2.0」飛行許可申請画面(抜粋)

別添資料1 飛行経路

場所を特定した飛行申請ですので、「別添資料1 飛行経路」の記載は必須です。飛行計画の通報を行ったことがある方は、類似の入力方法です。したがいまして比較的容易にできると思います。

飛行マニュアル

航空局標準マニュアル01になります。ただし、夜間の場合は飛行高度と同じ距離の半径の範囲内を立入管理措置ができなければ独自マニュアルで対応することが求められます。また夜間の目視外飛行を行う場合は、01には記載がありませんので新たに追記する必要があります。

150m以上の高さの空域での飛行申請を行う場合は、前述しましたとおり、国土交通省の東京空港事務所または関西空港事務所に申請します。そしてその他事前の手続きとして空域を管轄する関係機関との調整・了解が必要です。

ここでは空域を管轄する関係機関をご案内します。該当する関係機関が複数になる場合がありますので、見落とさず調べることが肝要です。

空港等周辺のエリア

空港等周辺の高さ制限を超える場合、かつ150m以上の高さの空域飛行の場合は、空港等周辺の許可申請と、150m以上の高さの空域の許可申請の両方が必要です。

連絡・調整先:空港等設置管理者と空港管制機関

進入管制区のエリア

進入管制区とは、空域の管制区のうち管制圏内の飛行場からの離陸に続く上昇飛行、着陸のための降下飛行が行われる空域を指します。後段の「日本の空の概要」でご確認ください。

連絡・調整先:各進入管制区を所管する空港管制機関(空港管制機関)

航空局所管エリア(空域図)

防衛省所管エリア(空域図)

民間訓練試験空域(訓練空域)のエリア

民間訓練試験空域は、航空機の試験及び訓練のために、訓練又は試験機と他の航空機の航行に係る安全確保を目的とした空域です。

連絡・調整先:航空交通管理センター mail:cab-atmc-asm@gxb.mlit.go.jp

対象エリア(空域図):

上記のいずれにも該当しない場合

連絡・調整先:
航空交通管理センター mail:cab-atmc-asm@gxb.mlit.go.jp
札幌航空交通管制部  mail:cab-saccunyou@mlit.go.jp
東京航空交通管制部  mail:mujinki-t022@mlit.go.jp
福岡航空交通管制部  mail:cab-facckansei-unyou@gxb.mlit.go.jp
神戸航空交通管制部  mail:cab-kobe-acc-op@ki.mlit.go.jp

対象エリア(空域図):全国区分図

進入管制区などの管制区域を図示したものは以下のとおりです。
出典:国土交通省「日本の空の概要」

150m以上の高さの空域の際に参考となる日本の管制区域

無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)を見ていきます。地表又は水面から150m以上の高さの空域における飛行許可の場合に特に求められる「機体の基準」、「安全確保のために必要な体制」および「その他」について追加基準を紹介します。

機体について

  • 航空機からの視認をできるだけ容易にするため、灯火を装備すること又は飛行時に機体を認識しやすい塗色を行うこと。

安全を確保するために必要な体制について

  • 空域を管轄する関係機関から当該飛行について了解を得ること。
  • 無人航空機を飛行させる際には、関係機関と常に連絡がとれる体制を確保すること。

その他

  • 航空情報の発行手続きが必要であるため、以下の対応を行う体制を構築すること。
    • 飛行を行う日の前日までに、その飛行内容について飛行する場所を管轄する空港事務所長等へ、以下の項目を通知すること。
    • 予め管轄空港事務所長等から通知先を指定された場合には、指定された機関へ通知を行うこと。
      • 飛行日時:飛行の開始日時及び修了日時
      • 飛行経路:緯度経度及び所在地
      • 飛行高度:下限及び上限の海抜高度
      • 機体数:同時に飛行させる無人航空機の最大機数
      • 機体諸元:無人航空機の種類、重量等
    • 日時及び空域を確定させて申請し許可を取得した場合には、申請内容に応じて航空情報を発行することとするため、飛行を行わなくなった場合には、速やかに管轄空港事務所長等に対し、その旨通知すること。

ここで出てきました「航空情報の発行」は航空管制にとって非常に大事な情報となります。ご参考まで国土交通省のツバサノシゴトをご確認ください。

地表から150mの高さは実際にあるものでいうと何かを調べました。全国各地の概ね150mの例です。

札幌  さっぽろテレビ塔    147m

仙台  ドコモ東北ビル     150m

東京  霞が関ビル       147m

名古屋 中日ビル        158m

大阪  あべのハルカス(300m)の丁度半分

福岡  ヒルトン福岡シーホーク 143m

因みに、東京ディズニーランドのシンデレラ城は51m。もっと高そうに見えます。シンデレラ城を3個重ねて大体150mです。

 

高さ150mの目安となるさっぽろテレビ塔

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