「包括申請」と「個別申請」の違い
ドローン飛行許可・承認申請の用語で、「包括申請」と「個別申請」の違いについては、一般的に以下のとおり使い分けが行われています。
どちらも、特定飛行を行う際に申請を行うためのものですが、予定している特定飛行の内容によって違いが出ます。
包括申請:
- 場所を特定しない(日本全国)で1年間の許可・承認を得る飛行申請。
(全国よりもエリアを狭めて都道府県単位などで申請する場合もあります。) - 対象となる禁止空域と飛行方法は、
- 人口集中地区上空
- 夜間
- 目視外
- 人又は物件から30m以上の距離を確保できない飛行
- 危険物輸送
- 物件投下
個別申請:
- 場所や日時を特定した飛行申請。
- 対象となる禁止空域と飛行方法は、
- 空港等周辺上空の空域 (場所を特定)
- 地表又は水面から150m以上の高さの空域 (場所を特定)
- 催し場所上空の飛行 (場所および日時を特定)
もう一つの禁止空域に緊急用務空域もありますが、一部の例外を除きドローンの飛行許可は下りません。詳しくは緊急用務空域についてのページをご参照ください。
その他にも個別申請があります。次の飛行における申請です。
個別申請:
- 人口集中地区の夜間飛行
- 夜間の目視外飛行
- 補助者なしの目視外飛行
- 趣味
- 研究開発 (以上は場所を特定)
- 人口集中地区の夜間の目視外飛行 (場所および日時を特定)
「包括申請」と「個別申請」の違いで勘違いしやすいこと
包括で許可・承認を得た空域や飛行方法が、単体ではなく組み合わさる場合には、たとえ包括許可があっても、新たに個別申請が必要になります。
上にお示しした欄から抜粋すると、次の飛行が該当します。
- 人口集中地区 + 夜間飛行
- 夜間 + 目視外飛行
- 人口集中地区 + 夜間 + 目視外飛行
※人口集中地区+目視外飛行は、飛行マニュアル内容を遵守すれば包括で構いません。
また、ドローンスクールが屋外で特定飛行に該当する実地講習を行う場合は、注意が必要です。訓練のための許可承認申請となり、こちらも「場所を特定した個別申請」となります。
ここまでは、一般的に使用されている「包括申請」と「個別申請」の用語の違いをご説明いたしました。航空局への申請の際もこの違いで意味は伝わります。
次に、審査要領上の包括申請についての説明ぶりをご紹介いたします。
「審査要領」での包括申請
以下は、「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」における「包括申請」の説明箇所です。
2.申 請
2-1 申請の方法
(3)包括申請同一の申請者が一定期間内に反復して飛行を行う場合又は異なる複数の場所で飛行を行う場合の申請は、包括して行わせることができる。
審査要領での「包括申請」の説明内容からは、次のことも含まれると考えられます。
同一申請者が、特定の場所で繰り返し飛行を行う場合は、毎回申請するのではなく、一定期間の許可・承認をまとめて申請することが可能
審査要領での包括申請には、一般的に使われている「場所を特定しない包括申請」だけでなく「場所を特定した個別申請」の内容も含まれています。
つまり、審査要領上は、場所を特定しないから包括申請だとは限りません。
なお、審査要領では、「個別申請」という用語はありません。個別申請は、包括申請と対比して一般的な運用上使用している用語と考えられます。
以上のことから、「包括申請」について話を聞くときは、一般的に使用されている意味で言っているのか、審査要領を踏まえて言っているのか、相手の意図を汲み取る必要があります。
包括申請と個別申請に共通する2025年3月以降の留意点
ここで、2025年3月24日以降に、気を付けなければならなくなった点を挙げます。これは、包括申請と個別申請に共通して言えます。以下のとおりです。
「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)」の改正により、2025年3月24日以降、DIPS2.0の入力項目が簡素化されました。
申請者自身が適否を確認することで、取扱説明書や機体・送信機の写真、数値の入力を、DIPS2.0の申請画面では省略することに変わりました。従来よりも審査は簡易になった反面、申請者の自己責任が重くのしかかるものです。
申請者は自身で確認したものを「具備しておく」必要があります。当局からその資料の提出または説明を求められることがあり得ます。
当事務所は当然のことながら、従来のDIPS2.0で資料等を省略しない申請代行した実績が多数ございます。これからは、この新たに省略するこことなった資料を、「具備しておく資料」として編集し、依頼者様にご提供しております。
ドローン飛行許可申請は、代行依頼で無駄な時間をカットできます。
そのためには行政書士さいれんじ事務所にご依頼ください。
