ドローンの飛行前確認事項 - 行政書士さいれんじ事務所

無事にドローンの機体登録、飛行許可書取得まで済ませた後の、飛行前確認事項について述べます。

このページは航空法条文や「航空法における無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルールについて」および飛行マニュアルの飛行前確認についての該当箇所を抽出してまとめたページであり、国家資格である操縦者技能証明を受験する方のために記載している内容ではありません。従いまして国家資格を受験される方は「無人航空機の飛行の安全に係る教則」及び「無⼈航空機操縦士実地試験実施細則」で詳細をご確認いただきますようお願いいたします。

飛行前に確認すべき事項

  1. 登録記号(JUxxxxxxx)の機体への表示
  2. 飛行計画の通報(特定飛行は義務、その他の飛行は推奨)
  3. 他の無人航空機の飛行計画の確認
  4. 飛行前点検・確認(マニュアル記載事項確認の実施)
    • 飛行日誌(日常点検)に基づく飛行前点検(特定飛行は義務、その他の飛行は推奨)
    • 遵守しなければならない事項(気象、経路、緊急用務空域指定の有無の確認、他の航空機、他の無人航空機の確認など)
  5. リモートIDの作動状況確認(搭載義務がある機体の場合)

携行するもの

  1. 許可・承認書(紙か電子媒体、紙は原本か写し)
  2. 飛行日誌(紙か電子媒体)

それぞれの規則等に記載されている具体的な内容

DIPS2.0へのドローン飛行計画の通報

  • 他のドローンの飛行計画を確認
  • 自社・自身のドローン飛行計画を通報

飛行マニュアルに記載した「飛行前の点検」の実施

国土交通省から許可を得たマニュアルの「飛行前の点検」項目に従って点検を行います。例えば標準マニュアルの場合の項目抜粋は以下のようになります。

  • 各機器の取り付け(脱落・ゆるみ)
  • モーター等の異音
  • 機体の損傷・ゆがみ
  • バッテリー充電量
  • 通信・推進・電源・自動制御各系統の動作

飛行マニュアルに記載した「遵守事項」に基づく確認

同様に標準マニュアルの場合の飛行前に行う遵守項目の抜粋は以下のようになります。

  • 気象、機体の状況、飛行経路が安全に飛行できる状態か否か
  • 飛行させる場所が緊急用務空域に指定されていないことの確認
  • 多数の人が集合する場所の上空になっていないか
  • 航行中の航空機の確認
  • 飛行中のドローンを確認した場合の当該ドローン操縦者との経路等調整
  • DIPS2.0で他のドローンの飛行計画を確認(前述と同じ)
  • DIPS2.0で自社・自身のドローン飛行計画を通報(前述と同じ)
  • 飛行許可・承認書の原本または写しの携行を確認

その他、飛行日誌を紙媒体か電子媒体で携行する必要があります。
(「無人航空機の飛行日誌の取扱要領」3ページに記載があります。)

緊急用務空域の指定の確認

飛行マニュアルの「遵守事項」に記載されているにも関わらず、実はドローンの飛行前確認事項で見落としがちなこととして緊急用務空域の指定の確認があります。確認方法については以下のとおりです。

  • 国土交通ウェブサイト「無人航空機の飛行ルール」(https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html)で緊急用務空域に指定されている空域か否かを確認。URLをクリックすると国交省の当該サイトに遷移します。
  • その他、「航空局無人航空機X(旧Twitter)」をフォローすると緊急用務空域の情報が入手できます。

航空法条文からみた飛行前確認事項

航空法

第百三十二条の八十六 無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行させなければならない。

 国土交通省令で定めるところにより、当該無人航空機が飛行に支障がないことその他飛行に必要な準備が整つていることを確認した後において飛行させること。

航空法施行規則

第二百三十六条の七十七 法第百三十二条の八十六第一項第二号の規定により無人航空機を飛行させる者が確認しなければならない事項は、次に掲げるものとする。

 当該無人航空機の状況

 当該無人航空機を飛行させる空域及びその周囲の状況

 当該飛行に必要な気象情報

 燃料の搭載量又はバッテリーの残量

 リモートID機能の作動状況(第二百三十六条の六第二項各号に該当する飛行を行う場合を除く。)★

 無人航空機を飛行させる者は、前項第一号及び第五号に掲げる事項を確認する場合において、当該無人航空機(当該無人航空機にリモートID機能を有する機器を装備する場合にあつては、当該機器を含む。)の外部点検及び作動点検を行わなければならない。

★除かれるもの
 国土交通大臣への事前届け出区域の上空
 30m以下の係留飛行
 警察庁、都道府県警察又は海上保安庁等、警備その他の特に秘匿を必要とするもの

「航空法における無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルールについて」の記載事項に基づく確認

DIPS2.0のアカウント開設の際に同意した「航空法における無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルールについて」に記載のある事項の遵守が必要です。たとえば以下の項目を抜粋しましたが、これらは飛行前確認に関するものです。

  • 操縦者・補助者はドローンの関係者であることが容易にわかるような服装(ベストの着用等)としましょう。
  • 河川・ダム・貯水池などでドローンを飛行させようとする場合の河川管理者や自治体の河川利用ルールなど飛行可能か否かの事前確認
  • 自治体の条例等(公園上空の飛行禁止等)の確認
  • 第三者の所有する土地の上空での所有権侵害の有無

航空法以外のドローン飛行規制に関わる法令の遵守

飛行させようとする場所によっては、「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」、「国有林野の管理経営に関する法律」、「港則法」、「海上交通安全法」など、航空法以外にもドローン飛行に関わる規制に該当する場合がありますので注意が必要です。

ドローンの飛行前に確認すべき事項_点検の実施
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